色彩の基礎|PCCSとは?
更新日:5月23日
色彩には私たちの感情や認識に深い影響を与える力があります。本コラムでは、表色系と呼ばれる色の体系に焦点を当て、その基本概念について理解することで、色を効果的に扱うヒントを探っていきます。私たちの日常がちょっと豊かで魅力的なものになるかもしれません。
表色系とは?
まず、表色系とは何でしょうか?
明るい赤、暗い赤などと表現をしても、この表現では曖昧で、自分の伝えたい色が相手にしっかり伝わるのは難しそうです。そこで、色相・明度・彩度など色に関する項目を数値化して、正確に情報が伝わるように体系化したものが表色系です。表色系には様々な種類がありますが、その中の1つがPCCSになります。
PCCSとは?
PCCSはPractical Color Co-ordinate Systemの略で、一般財団法人日本色彩研究所が開発した表色系です。表色系の中でも馴染みやすい表現をしているものになるので、一番最初に学ぶのにおすすめです。PCCSでは色相・明度・彩度を用いて色の区分を行いますが、その際にHue(ヒュー)と呼ばれる色相と、Tone(トーン)と呼ばれる明度・彩度が類似したグループ、2つの要素によって色を区分するのが特徴的な表色系です。
表色系を表す際は横軸に彩度、縦軸に明度を取り、Toneを12種類に分け、それぞれのToneに応じた色相環を配置します。同じToneの中には明度・彩度が類似している色相が並ぶため、同じToneの色を複数利用すると、イメージが近くまとまりのある印象をもたらしてくれます。
例えば、こちらのライトトーンは浅い、澄んだ、子供っぽい、さわやかな、楽しい印象を感じることが出来ます。
ビビットトーンからはさえた、鮮やかな、派手な、目立つ、生き生きした印象です。
ダルトーンは鈍い、くすんだ、中間色の印象をもたらすトーンとなります。
色を表す際は、このToneの種類と色相の番号を組み合わせることで表現出来ます。例えば、こちらのコーラル色は「lt2」であり、ライトトーンの略であるltと2番目であるという色相番号を用いて表現します。