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個人個人の感じ方の違いを把握~感性の個人差をモノづくりに活かす~|感性AIコラム

更新日:4月18日




坂本真樹先生のモノと言葉の不思議講座


第一章:オノマトペ 五感・感性と結びつく言葉
第二章:個人個人の感じ方の違いを把握~感性の個人差をモノづくりに活かす~
第三章:普遍的な言語音と五感の結びつき

第二章

個人個人の感じ方の違いを把握~感性の個人差をモノづくりに活かす~


前章で、モノの見た目や手触りから何を感じるかは人によって異なることについて述べました。このような感性の個人差の観点は、感性工学を取り入れたモノづくりやマーケティングに活かしていくことができます。

消費者が満足して対価を支払う「いい商品、いいサービス」には、「高機能性」「高信頼性」「合理的価格」といった従来型の価値を超え、生活者の感性に働きかけ、その感動や共感を呼び起こす「感性価値」が存在します。近年、こうした感性の観点をモノづくりに活かし付加価値を生み出し新たな需要を喚起することが求められている中で、感性の個人差を把握しニーズを反映した商品開発やレコメンドをしていくことが一つの課題となってきています。それを、オノマトペとして表現された個々人の感性の世界を可視化していくことで解決できるのではないかと考えています。


例えば、タオルを指して「これは何ですか?」といえば、だれでも「タオルです」と答えますが、「このタオルはどんな感じがしますか?」と聞くと,人によって違うオノマトペで表現したりします。この個人個人の感じ方の違いが、性別や年齢による差であれば、その集団を代表する被験者にアンケートをすることで、何をどのように感じるかを把握することができますが、人の五感・感性は一人一人違う可能性があるため、一つ一つのモノの感じ方についてアンケートを実施しなくてはいけないことになります。「モノと知覚と言葉の関係」については様々な考え方がありますが、モノは物理的世界に人間の知覚と独立に存在しており、五感を通して人間はモノの情報を知覚し、その知覚がオノマトペのような言葉として表されることから、「人は感覚入力を言葉でカテゴリ化している」と言えます。つまり、人の五感・感性の個人差を、「何をどの言葉で表現するか」から推定できると考えられるのです


そこで、モノの世界(モノのマップ)と、人がそれをカテゴリ化することで作られるオノマトペによる感性の世界(オノマトペマップ)をそれぞれ独立なものとして用意し、2つのマップのすり合わせ方の違いによって個人個人の感じ方の違いを把握するシステムを作りました。

モノのマップ上にオノマトペマップを重畳することにより、あるユーザがいくつかのオノマトペをそれが最も表すと感じられるモノの位置へと移動させるだけで、そのユーザの感じ方を把握できるのです。

このシステムを活用すると、個人個人の感じ方の違いを、少ない時間・少ない負担で把握でき、たとえば、化粧品の使用感において重要な影響を与える手触りの感じ方の個人差を簡単に大量に調査できるようになります。また、個人差を簡単に把握し、その人の五感・感性に適した商品を推薦することも可能です。


感性工学的には、オノマトペでカテゴリ化される質感認知について、物理特徴-知覚表現-オノマトペの関係とその変換過程を利用することで、知覚表現を介しつつ物理特徴からオノマトペ、オノマトペから物理特徴へと自在に変換することが可能になります。このようなオノマトペと物理特徴を紐づけるシステムを構築することで、個人個人のニーズを反映した素材等の推薦ができるようになります。また、物理・知覚表現から新奇のオノマトペを生成するほか、オノマトペからこれまでに無い新規な質感をマイニングすることで、新規素材開発も可能になるのです。









 


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