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(ブログ)芸術作品の印象をAIで定量化:葛飾北斎『富嶽三十六景』を例に

  • 管理者 感性AI
  • 2023年6月16日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年9月20日


芸術作品をどのように感じるかは、

その芸術作品が発する印象に対して見る人によって受け止め方が異なる主観的なものです。

実際にどのように感じるかは、見た人1人1人に感想を聞いてみないとわかりませんが、

AI技術を活用することにより、

芸術作品の持つ印象自体を定量化することで、

その結果見る人に対してどのように感じられる傾向があるかを分析することが可能になります。


そこで、画像の印象をAIが定量化する感性AIアナリティクス」の機能を活用しながら、

日本美術を代表する「浮世絵」で、

感性の定量化を試してみたいと思います。


浮世絵は、庶民の日常生活や楽しみを、生き生きとした様子が美しく大胆に表現しており、

その美しく個性的なデザインは海外にも広く伝わり影響を与えています。

今回は、葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」の46点を感性評価を行い、

その印象を定量化してみました。


印象を定量化することができれば、

自分が好きなのはどういう印象の絵画なのか、

また、コンセプトに合う絵画を選びたい場合にどれをセレクトしたらよいか、

などがわかってくるのではないでしょうか。



感性AIアナリティクスでは、画像をアップロードして評価ボタンをクリックすることで、

印象を瞬時に可視化します。


まず、例として、

①「遠江山中」

②「凱風快晴」

③「上総ノ海路」

を評価してみます。

43対の感性尺度から、それぞれの絵画が与える印象の大きい尺度をグラフにします。

43対の感性尺度一覧はこちらです。

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※アップロードする画像の粗さや色合いによって評価結果は変わります。

(評価する性別・年代:指定なし、2023年6月時点)


①「遠江山中」

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②「凱風快晴」

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③「上総ノ海路」

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そして、AIが推定する総合評価(好意度・共感性・インパクト・品質感)はこのようになりました。

※アップロードする画像の粗さや色合いによって評価結果は変わります。

(評価する性別・年代:指定なし、2023年6月時点)

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このように、

「富嶽三十六景」の46点のすべての評価結果を出力しました。

その結果、

AIによる総合評価「好意度」「共感性」「インパクト」「品質感」についてのベスト3は、

以下の通りでした。


好意度

1位 常州牛堀

2位 武陽佃嶌

3位 相州梅沢左

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共感性

1位 常州牛堀

2位 武陽佃嶌

3位 東海道江尻田子の浦略図

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インパクト

1位 相州箱根湖水

2位 相州七里濱

3位 相州梅沢左

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品質感

1位 相州梅沢左

2位 相州江の島

3位 東海道江尻田子の浦略図

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また、43対の感性評価結果の中から、

浮世絵らしい「庶民的」「親しみやすい」「楽しい」についてのベスト3を調べてみました。



庶民的

1位 相州梅沢左

2位 東海道程ヶ谷

3位 隅田川関屋の里

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親しみやすい

1位 武州玉川

2位 遠江山中

3位 常州牛堀

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楽しい

1位 遠江山中

2位 武州千住

3位 諸人登山

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このようになりました。


いかがでしたでしょうか。

(個人的には、楽しく、親しみやすい印象の「遠江山中」がお気に入りです。

奇抜な幾何学的構図と角材と支柱の間から富士山を覗き見るという奇抜な視点に、見る人を楽しませるような北斎の遊び心を感じました。)


AIのものさしにより印象を定量化し指標とすることで、

より多角的な視座を持ちながら、芸術作品と向き合い、

あらためてどう自分自身は感じるのか、

自分の感性を見つめなおすきっかけになるかもしれません。



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