感性
感性とは、外界の刺激を五感の感覚受容器を通じて知覚し生じるものです。
私たちは日常生活の中で、物理的な世界の様々なことを見たり、触れたり、味わったりと、五感を通して様々な形で経験しています。
このようにして感覚受容器から入ってきた情報は、脳においてその人がそれまでに経験した情報と統合し価値判断を行ってます。このように、外界の世界を感じて生じるものが感性です。
感性に似た言葉に「感受性」がありますが、これは外界の刺激をしっかりと感じ取り受け止める能力のことであり、感性の意味に含まれます。
これは、「感性が鋭い」「感性が豊か」と表現される場合の感性の意味であり、つまり感性とは能力であり豊かで研ぎ澄まされることが良いものなのです。
感性の定量化
人間が物事に対して感じる「心地よい」「ワクワクする」「落ち着く」といった主観的な感覚や印象を構造化し、記録可能なデータとして捉えることができます。
従来は個人の経験や勘に依存していた領域ですが、これを定量的に扱うための技術が急速に発展しています。
国立大学法人電気通信大学 坂本研究室では、五感の印象やオノマトペ表現を精緻に数値化・定量化するシステムを開発。
物性-知覚-言語情報を連携させることで、「感性的質感にもとづく素材推薦」など、従来のAIとは異なるアプローチを実現しています。
数値化・定量化の主な手法
意味微分法(Semantic Differential:SD法)
被験者に対して、例えば「落ち着く-落ち着かない」「洗練-素朴」など両極性の形容詞対を設定し、7段階や5段階評価で印象点を付けてもらいます。こうして得たデータを平均値や因子分析などで処理することで、感性的印象を数値化します。
リッカート尺度
「とてもそう思う」〜「全くそう思わない」といった選択肢で、商品やデザインへの印象をスコア化するものです。
商品企画における感性マーケティング支援ツール「感性AIアナリティクス」を使用すると、パッケージデザインやネーミングの感性価値を消費者データを学習したAIで評価することができます。
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